2023年度 理事長所信

所 信

公益社団法人黒石青年会議所
2023年度理事長 湯瀬 高央

2023年度スローガン

やってみよう!

~断固たる決意~

 黒石青年会議所が誕生した1955年から現在まで先輩諸兄が繋いできてくださったのは組織だけではなく、明るい豊かな社会の実現という志しそのものだ。戦後日本の復興を目指し戦ってきてくださった先輩諸兄から渡されてきたバトンは時代とともに変化し、現代に渡ってきた。そして現在、多種多様な生き方が尊重される世の中で新たな価値を創造する団体である我々は多角的な視点で地域を捉えなければならない。

 2020年から突如出現した新型コロナウイルスは我々の生活を大きく変え、日本経済だけでなく、我々の組織にも大きな変化を与えた。理事会や定例会はリモートが主流になり、事業も縮小や変化を伴いながら柔軟な対応をして事業を実施してきた。しかし会員の減少も進み、コミュニケーションがとりにくくなったことで新たな出会いや共感、発想が激減した。これからは今までとは違った変化と向き合う必要がある。

事業実施を繰り返すことで適応すると同時に慣れが生じ、夢を見ることを忘れ、熱が冷め、事業を続けるための現実的な選択をしてしまう。先輩諸兄が繋いできたバトンを次の世代に継承していくためにも明るい豊かな社会を目標にし続けるための挑戦が必要である。地域の人々、次世代を担う子ども達が地域を愛し、誇りに思い、豊かなこころで生活していくために明るい豊かな社会実現という目標に真剣に向き合い、次世代に託すべき未来を真剣に考えなくてはならない。そのために我々は未来に約束する断固たる決意を持たなくてはならない。

【はじめに】

 私は、2014年に入会しました。入会したての頃は黒石青年会議所の活動に対し関心が無くなんとなく所属していた私ですが、その当時の先輩に年間を通し議事録の作成という業務も与えてもらいました。1年間理事会にオブザーブするうちに議案作成をしながら議論を交わしている理事メンバーに対し「かっこいいな」「何か手伝えることはないか」「事業に参加したい」という意識が芽生えてきました。そのうちに地域のために事業を実施できることに誇りを持てるようになりました。

 ひとつの出会いがやってみようという気持ちを起こし、努力を他者から認めてもらい、またやる気を充満させ、誰かのために行動に移す。青年会議所は私自身を変えるに十分すぎる組織でした。

仲間との絆から生まれる意識の改革、積み上げられる地域や次世代を担う子ども達のためという当事者意識は「明るい社会への実現」を目指すために必要なものです。そのためには「やってみよう」という小さな一歩がなければ決して叶いません。今こそ仲間とともに切磋琢磨しながら一歩踏み出し、未来を見据えた革新的な事業を実践いたします。

【伝統文化】

69年の永きにわたり伝統を継承し続けてきた黒石ねぷた祭り事業は、時代とともに少しずつ形態を変えながらも黒石の地に根付いてきました。人形ねぷたと扇ねぷたが共存し、五段高欄と背面に描かれている物寂しさを感じる見送り絵が特徴である黒石ねぷたは黒石市民にとってなくてはならないものであり、夏になると地域から聞こえてくるねぷたばやしはこころが踊ります。

人口減少に伴い、子ども達も少なくなっていますが、変わらない3世代コミュニティーの形成、青少年の健全育成に大いに寄与し、子ども達にとってなくてはならない事業のひとつです。

昨年、新型コロナウイルス感染拡大の中、関係諸団体の方々や運行団体の方々のご協力もあり3年ぶりにねぷた祭り合同運行を実施することができました。悪天候の中ではありましたが、運行団体の方々や子ども達の表情は輝いていました。黒石ねぷた祭りを後世に継承していくためにも、関係諸団体や行政と今までにない新しい形で連携を強化し、力を合わせて時代に即した黒石ねぷた祭りの運営をしていきます。

【夢】

 夢を描くということは素晴らしいことです。夢を描くということは自分の将来を想像し将来を選択できることから始まります。選択肢を増やし、夢を描き、夢を叶えるために行動することは大変なことです。夢を追うためには努力だけでは難しく、十分な環境のなかで協力してくれる親や指導者が必要不可欠で、その夢を発見できていない人や向き合えない人は向かう過程を楽しむこともできません。

子ども達は金銭や自由な時間を作る能力が小さく、行動範囲が狭く、将来の夢に向き合うことは過酷で、大人の助けが必要です。この地域の子ども達が夢を持ち、それを周りの人に発信できることは本人が努力するきっかけを作り、親子で夢を語り共有し、保護者や指導者の協力が得られるきっかけとなります。

夢を描き努力をし、途中で壁にあたり、また立ち上がり、違う夢に形を変えるというプロセスが成長を促します。次世代を担う子ども達が夢を追い続け努力し、その先に何か得られるものがあるように私たちは行動を起こし続けていかなければなりません。

【ひと】

会員数の減少は全国のLOMで大きな問題として取り上げられています。我々黒石青年会議所も2023年度会員数は25名からのスタートになり年々会員数は減少しています。メンバーが入れ替わり人材を育成する自己啓発組織だからこそ持続可能な組織である青年会議所には会員拡大は大きな課題です。

子ども達が健やかに育つためにも、より良い地域が必要であり、地域を創るのは「ひと」の力です。地域の課題に真剣に向き合い、当事者意識を持って行動する人が多く存在するなら、持続可能な地域を創造することが可能となるはずです。自分が住む地域を愛し、課題に対し臆することなくより良い地域を目指す情熱を持って行動できる人材を増やすためにも青年会議所の魅力を最大限に発信し、最重要課題である新入会員拡大に取り組みます。

 青年会議所は「ひと」を変える力のある組織です。地域のために会員が熱い想いを抱き、議論を交わしていく過程で支えあおうとする想いは必ずや芽生えるものであり、一緒に切磋琢磨してくれる仲間がいることでまた新たな挑戦ができます。仲間を支えることで自分を想ってくれる仲間を増やし、ともに歩き出すことで成長し、地域のために率先して行動できる人材になっていきます。そういった人材が地域のために活動することで青年会議所に入会したいと思うひとは増加するはずです。本年度も地域のため、仲間のために前進していくことで新たな人材を育成することを実践してまいります。

【結びに】

青年会議所活動のなかで様々なひとと出会い多くの学びを獲得しました。地域のことを真剣に考え「明るい豊かな社会の実現」に向けた夢を持つひと達の想いは価値のあるものです。この想いを継承していくためにも、残すべきものと変化するものを見極めることが重要です。今あるものを大切に守りながら柔軟で革新的な対応が今求められています。

今の我々に出来ること、地域に求められていること、子ども達のため出来ることに耳を傾け、再考し、理想に向かって全力で突き進むことが重要です。夢を語らい、地域に対し真剣に議論し会員一丸となって事業実施ができる組織が青年会議所です。

組織全体が自覚し夢に向かって行動することが求められている今だからこそ、変化を恐れず実行していくことが必要です。生き生きとした組織にするために一歩踏み出し、地域のために子ども達のために「やってみよう」という想いを大切にし、挑戦し続けていくことで仲間とともに成長を遂げ、地域貢献することで共感を生み出し、新たな事業を実施していきます。1年間、生きた組織を目指し、必ず地域のために断固たる決意をもって事業を実施することを約束します。皆様どうぞよろしくお願いいたします。

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