理事長所信

所   信

公益社団法人 黒石青年会議所
理事長    福士 長年輪

【スローガン】

2014年度スローガン「綺麗ごとの実践 ~志高く未来を語り、ともに実現しよう~」

 

【初めに】~時代を背負う覚悟~
1945年8月15日日本はポツダム宣言を受け入れ昭和天皇が終戦を発表した。
主要都市の多くが焼け野原となり、公共機関や交通手段がその機能を失い、家や家族を失った人達も数多くいました。そんな中「新日本の再建は我々青年の仕事である」として日本で青年会議所が設立されたのは、戦後間もない1949年9月3日のことである。

この創始のメンバーは我々が想像することもできない、戦争による緊張感のなかを生き抜き、敗戦による大きな虚脱感を味わった人たちであろう。その後我が国は、当時の責任世代であるその人たちの血のにじむ様な努力のすえ、めまぐるしく発展し、高度経済成長を経て、世界でも有数の経済大国といわれるまでになり、物質的に豊かになった。しかし、経済成長も鈍化しバブルが崩壊すると日本経済は20年に渡り低迷を続け、この「失われた20年」を経て現在に至っている。隣国との領土問題、少子高齢化による人口減少のほか、対GDP比200%を超える財政赤字など、日本を取り巻く環境は極めて困難なものばかりで、今や世界第2位の経済大国からも転落し、この国は戦後の右肩上がりから、低迷期へと足を踏み入れたといえる。

そんな混沌とした時代において責任世代にある私たちは、この国や街について誇りや憧れ、夢を与えられるような存在でいられているだろうか。このまちの未来を切り拓くのは、誰でもない地域に住まう人たちです。そして、その中心となるのは責任世代である私たちに他なりません。我々JAYCEEも今この時代を背負う覚悟をもち、自分自身を高めながら、青年としての英知と勇気と情熱を結集させ、この国の、このまちの未来を切り拓いていくことが必要です。

日本に青年会議所を誕生させた創始のメンバーのように。

 

【地域の未来のために】~継続は力なり~
地域に伝えられる伝統文化を継承していくということは、相当な努力と数多くの困難を要するが、我々の先輩たちは58年もの永きに渡り、紆余曲折を繰り返しながら「黒石ねぷた祭り」を地域の皆様とともに継承し続けてきた。
黒石ねぷたは古くから人形ねぷたと扇ねぷたの両方が共存し人形ねぷたをのせる台が5段になっている「五段高欄」とねぷた背面に描かれる徹底して物寂しさを追求した見送り絵が大きな特徴である。正調黒石ねぷたばやし講習会の浸透により、見事に統一された「すすめ・とまれ・もどり」の3種類のねぷたばやしもまた黒石ねぷたの特徴である。

この「黒石ねぷた」は戦争による傷跡がいたるところに残り、人々の心もまだ荒れ果てているなか、沈滞ムードを一層すべく昭和21年すぐに復興されました。当時はおそらく青森県内でも唯一のねぷたであったことから、この地域のねぷたへの情熱はひしひしと伝わってくる。時代の変化に少しずつ形を変えながらも、3世代交流コミュニティー形成や青少年の健全育成にも寄与してきた黒石ねぷたは間違いなく地域の宝でありこの「黒石ねぷた祭り」は個人と地域とのつながりに直結し、愛郷心を育む求心力の一つであると考える。かつては日本一の運行台数を誇ったこの祭りも、近年は少子化の影響や経済的な理由によって運行団体や、人形ねぷた、はやし講習会へ参加する子ども達が減少している。
この宝を未来へしっかり繋いでいくために昨年、国重要無形民俗文化財の指定にむけて新たな一歩を踏み出した。この国指定にはかなりの時間や労力、関係諸団体の協力が必要と思われるが、この国指定が実現すれば、地域の宝がしっかりと未来へつながっていく礎となる。少しでも多くの人達にこの素晴らしいねぷたを知ってもらい、この地にきて観てもらい感動を与え続けるようになることを願いながらこの祭りを継続して参ります。

また本年はあの傷ましい事故から10年が経過することから、あの事故を決して風化させることなく、「安全第一、安全管理、安全対策」を今一度徹底し事故の無い、楽しい祭りになるよう心がけます。

本年度は任期満了に伴う黒石市長選挙が開催される年であります。市民主導のまちづくりが理想ならばリーダーは我々市民が選ぶ責任があります。なかでも投票という政治行動を通じてその責任を担っている有権者に目を転ずると、政治そのものに対する関心が薄れ、投票率の低下が著しくなっております。又、政治参加の機会である選挙について見るならば、新たなリーダー不足により、市長選、県議選、市議選においてここ数年無投票当選が続いている。これはきわめて重大な事態であるとともに、行政の在り方を最終的に決定するのが市民であるということの重要性を、市民たる有権者自らがおろそかにし、政治参加の権利と責任を放棄しているものと言わざるをえません。現状のさまざまな問題を解決していくためには、私たちが自らの手によって「地域のリーダーを選ぶ」必要があります。
黒石市の将来のために「共に問題に取り組んでいけるような政策を選ぶ」責任があるということを自覚する必要があるのです。政治への無関心から脱却し地域の問題を自らの問題と照らし合わせて政治への参加意識を高めていくための発信をしていきます。

 

【地域の子どもたちへ】~「夢」は目指した時から目標に変わる~
昨今、子どもたちが被害者、加害者になる事件は後を絶たず、報道を見聞きするたび、一人の父親として胸が痛みます。インターネットや携帯電話、ゲーム機器などが多く普及した現代社会では、家庭内は親子の会話が減り、学校では子ども同士の会話も減っているのではないでしょうか。学校であった出来事や悩み事を家族や友人など、誰にも相談できず自らの命を絶ってしまういじめ問題、児童虐待や不登校など、夢や希望を持てずにいる子どもたちが多く存在しているように感じます。このような時代に子育て世代、責任世代である私たちは子どもたちに何をすることができるのでしょうか。

ひとは「夢」を持つ事で、目標に向かって行動し努力します。「夢」を持っていても目標に向かって行動しなければ夢を手にいれる事はできません。だれもがもっている純粋な「夢」は家族や友人、地域へと輪を広げその輪が重なり合い、希望に溢れる社会へと繋がるのです。子どものころよく「あなたの夢はなんですか」と聞かれたものです。今思えば、繰り返し大人が質問していたあの内容は、子どもに「夢」を持ってほしいと願う大人の願望だったのだと感じるようになりました。自分自身は「プロ野球選手」になりたいと答えていた当時は、ただ単にかっこいいから、そんな理由で答えていましたが、子どもの「夢」とはそんな理由から始まるものです。我々責任世代が今できる簡単なことは、かっこいい大人になること、そんな単純なことなのかもしれません。子どもたちの道徳心を育んでいくことが大切なのは言うまでもありません。しかし、それ以上に、子育て世代、責任世代の私たちが子どもたちとどう向き合っていくかが大切であると考えます。

青年会議所として既に行っている、ねぷた灯篭に自分の「夢」を描く灯篭作成会は来年11年目を迎え、市内各小学校に親子リクリエーションとして認知されてきました。また、子どもたちが主役である「ふるさと元気まつり」は市民の皆様からのご協力のもと8年目を迎えます。この取り組みは、子どもたちが自分の「夢」を表現する機会であるとともに、「夢」を明確に持っていない子どもには将来について考えてみるきっかけとなるものです。
「夢」を描いた灯篭がこみせ通りやお祭りに飾られ、市民の皆様や観光客の皆様の目にとまりこの地域を活気付け、子どもたちの「夢」実現の第一歩を踏み出せるよう事業を継続して参ります。地域の宝である子どもたちを心から愛し、かっこいい大人の背中を見て、子どもたちが自分の「夢」を描けるような環境を整備していかなければなりません。
そしてその「夢」を目標としてしっかりと見据え、それに向かって努力できる、そのような地域になれるよう、運動を展開して参ります。

 

【組織はひとづくり・地域はひとづくり】~白首北面(はくしゅほくめん)~

昨年1月、公益社団法人として新たなスタートをきりました。我々が目指す方向性や志は60年間培ってきたものと大きくは変わりませんが、今後も地域の皆様の期待に応え、明るい豊かな社会の実現に向けて活動していかなければなりません。その為には組織体制、財政面、運営方法をより良い方向に改革し続けることで今よりも強固な基盤を固め、安定した公益法人として邁進して参ります。近年長い経済不況と少子化の中で、青年会議所運動へ参加する世代の減少が顕著になってまいりました。加えてNPOなどの各種団体の設立により、まちづくりに対する興味や志があっても様々な団体へその人材が分散化していく傾向にあります。私たちと同じ想いを持つ志ある人々が増えることは時代の多様化の中で歓迎すべきではありますが、まちづくり運動を通じて修練・奉仕・友情の三信条を育むことのできる青年会議所は他団体と比して、より貴重な存在であると確信します。黒石青年会議所は3年後会員数が半減し、このままでは、事業継続に大きな影響がでてくることでしょう。会員拡大は最重要かつ最優先の大きな課題であり現役メンバー全員で危機感を持ちこの問題に取り組んで参ります。
共に汗をかき事業を具現化していく喜びを共有できる仲間を求めています。
我々はJAYCEEであると同時に、地域の青年経済人であり、社会人です。混迷を極める現代社会において、変革していくためにもこの資質が問われています。我々会員は地域発展のためにリーダーシップを発揮し、まちを牽引していく人材であると自負しても良いのではないでしょうか。青年会議所メンバーには、地域開発の機会と個人開発の機会が与えられています。
現在の黒石青年会議所は、限られた人数で公益事業を継続することに毎年追われ、新たなことへの挑戦や40歳までという若さを生かした創造力が十分に発揮できていないのが現状です。青年会議所は地域から青年をお預かりし、メンバーとして互いに集い、切磋琢磨し、学び、成長し、一人前の経済人として地域で活躍できるような場でなければならないと考えます。
青年会議所活動の基本には月1回の定例会があります。これは個人開発を促す絶好の機会であり、且つ全会員が集う交流の場でもあります。この定例会を自分自身が成長出来る、魅力あふれる例会になるよう各委員会が各々に与えられた担いをしっかりと果たし発信していくよう心がけます。魅力あふれる例会はひとを呼び、多くの人が集った場は充実した時間を創造できるものと確信し、我々黒石青年会議所も一人でも多くの青年経済人を地域に輩出すべく、自分自身が成長出来る機会を創り出して参ります。

 

【最後に】~自らの「ふるさと」創造にむけて~

幼少の頃、3年に1度は転校を繰り返してきた私は、同じ土地に生まれ育った環境も無く自分自身「地元意識」や「ふるさと」といった概念が全くないそんな人間でした。今考えてみると、数多くの地域で、数多くの人との出会いがあったにも関わらず、その友情関係を継続することは非常に困難で当時仲の良かった友達とも疎遠になっているのがほとんどです。そんな自分がこの黒石に移り住み青年会議所と出会いました。青年会議所は自己の成長を望む者には限りない学びと成長の機会を与えてくれます。そしてまた多くの修練と奉仕を通じて真の友情を獲得していくことができます。真の友情とは楽しさだけではなく、苦労も共にして生まれるものだということをこの組織を通じてあらためて気づかされました。ふるさとも同様、楽しい思い出や辛い思い出、親の愛情や、真の友情が沢山詰まった場所であることが、ふるさとを愛する根源となると考えます。我々は、この青年会議所の一員として培った経験や友情を社業に活かすことが、青年会議所活動に多大なるご理解をいただいている、家族・会社・地域への恩返しになり、ふるさと創造の第一歩となることでしょう。

最後に黒石青年会議所メンバーが一致団結し、地域への感謝の気持ちを忘れず、責任世代としての自覚と覚悟を持って、次世代に繋いでいく運動を力強く展開していけるよう全力で精進することをお約束申し上げ所信とさせていただきます。

 


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